きらく橋のすぐ南、堀川右岸に堀川につながる広い水面があり、何隻もの船が係留されている。堀川口艀溜である。 |
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◇粗製濫造 → 輸出品の検査 堀川口艀溜が設けられるきっかけになったのは、昭和11年(1936)に施行された重要輸出品取締法にある。 当時、日本の海外輸出は大きく伸びていたが、粗製濫造により海外での評判は低下していた。このため、保税地域内や倉庫・店舗などで輸出品の検査を行うことにした。そのため、輸出品は検査を受けやすい臨港地区に集中するようになり、それを運搬する艀も港へ集中した。 ◇艀の停泊場所を確保 これら艀の停泊場所を確保するため、堀川口に艀溜が造られた。 面積が13万㎡(13㌶)で、内部に333mの桟橋が設けられ、水深は1.8mと3.5mである。物揚護岸と上屋、さらに鉄道線路を敷き水陸輸送の連結をはかる施設である。 昭和14年(1939)に着工し5か年計画で完成する予定であったが、日中戦争の激化や太平洋戦争の開戦により労力や資材の不足をきたし、昭和22年(1947)3月に完成した。 |
『港区全図』 昭和30年 |
2023/04/07 |
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